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現代の国産墓石事情
自社加工や産地加工の国産墓石なら安心?
あまり知られていない、お墓の流通経路
消費者多くは、お墓は石材店がつくっていると思われています。
その昔は確かにそうでした。
採石丁場から採掘された石を地元の石屋が加工しお墓づくりをしていました。
しかし、現代のお墓づくりの大半は、原石を採掘する業者、加工をする業者、
卸売りをする石材商社、販売をする石材店等の墓石小売店という経緯で流通されています。
もちろん、今現在でも、石材店が採石業者から直に原石を仕入れ、
完全自社加工をしている石材店も、僅かながら残ってはおります。
そのため、お墓の材料となる石が採れる近くには今現在でも、
石材店や石材加工業者が集まっている集落があるのです。
日本三大石材加工地
その中でも有名なのが日本三大石材加工地です。
東から順に、先ずは茨城県の「真壁(まかべ)」、次に愛知県の「岡崎」、
そして、四国、香川県の「庵治・牟礼(あじ・むれ)」の三つです。
いずれも、お墓に使用するみかげ石が大量に採掘される地域で、
これらの地域には数多くの石材加工業者が昔から集まっているのです。
私の会社は関西にあるため、真壁と岡崎については詳しいことは分かりませんが、
庵治・牟礼には、現在200件を超える石材加工に関係する工場があります。
自社加工の石材店がつくる国産墓石なら安心できるのか?
自社加工の場合は、消費者が直接その石材店に依頼することになるので、
これまで、その石材店がつくってきた墓石を見せてもらうことが出来ます。
ただ、一般消費者の方々がそれらの墓石を見て、
良い製品か、そうでないかの判断が出来るかどうかです。
これについては、99%の方が無理ではないでしょうか。
おそらく、一般消費者の方が見て判断できるのは、
お墓のデザインや、パッと見て綺麗かどうかの見た目の良し悪しと、
墓石に刻まれた文字が美しいかどうかくらいでしょう。
よほどの予備知識がなければ、墓石の加工や研磨精度は分からないでしょう。
ましてや、外観から見ただけでは、カロート(納骨室)内部の構造や、
基礎工事、耐震・免震工事などの施工に関しては全く分かりません。
地域密着の地元の石材店だからといって簡単に契約せず、
石について、お墓のデザイン・構造について、加工・施工について、
そして、値段のことなどを事前に詳しく説明を受けることが重要です。
加工産地業者のつくる国産墓石なら安心できるのか?
さて、一番問題が起こりやすいのがこのケースです。
先ずは、加工を専門としている産地の業者に、
消費者が直接、お墓の注文をすることはほとんどありません。
ほとんどの場合、消費者は石材店や仏壇店、葬儀社など、
お墓を取り扱う、いわゆる墓石小売店との間でお墓購入の契約をします。
次に、墓石小売店が加工産地の業者と取り引きがある場合には、
直接その加工業者に墓石の製作を依頼するでしょうし、
直接の取り引きが無い場合には、石材商社という卸売業者を介して、
加工業者に墓石製作の発注を依頼することになるのです。
墓石小売店が加工産地の業者と取り引きがある場合には、
消費者は自分の家のお墓がどこの加工業者によってつくられるのかが分かります。
しかし、石材商社を介しての加工業者への発注となると、
消費者はどこの加工業者によってお墓がつくられるのかは分かりません。
いくら加工産地といえども、業者の数が数百もあれば、
同じ石種であっても、取り扱う石材のランク、加工技術、値段もさまざまです。
北海道のラーメン横丁で食べるラーメンはすべて美味しいのかみたいなものです。
それに加え、墓石小売店が石材商社にどのような条件で、
墓石の製作を依頼しているのかによっても変わってきます。
墓石小売店が石材商社に対して仕入れの価格をたたけば、
石材商社側としても、品質はともかく先ずは安い工場を使うしかありません。
また、値段に関係なく、Aという石材商社に国産墓石の製作を依頼すれば、
必然的にBという石材加工業者で墓石がつくられるという流れになっている場合があります。
そうなると、Bという石材加工業者の技術力がどうかという問題になってきます。
結局、本当に安心できる国産墓石と出会うためには、、
窓口となる石材店をどうやって選ぶかが最も重要な問題となってくるのです。