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現代の国産墓石事情

大島石の特級でつくった墓石なら安心?

大島石の等級は誰が決めるのか?

 

西日本を中心に人気の高い、伊予の銘石「大島石」。


愛媛県今治市の大島という島の北部山岳地帯で採掘され、その石質は極めて硬く、耐久性に優れた墓石材として有名です。
 

 

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この大島石は、大まかに5種類のランクに等級分けされています。


上から、「特級」「一級」「二割」「カレイ」「二等」の順です。


これらの等級の判断基準は、色目、石目、色ムラ、白タマ・黒タマの多少などで判断されるのですが結構あいまいです。

 

 

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その中でも「カレイ」はカレイ山、「二等」は吉海地区と、採石丁場が「特級」「一級」「二割」と異なるためはっきりと区別されています。


問題は多くの墓石材として使用される「特級」「一級」「二割」です。


これらは、数十社の採石業者が集まる宮窪町を中心としたエリアで採掘され、各業者が採掘した原石を自社で「特級」「一級」とランク付けをするのです。


そうなると、大島石特級といっても、すべて同じという訳ではありません。


ある丁場の特級と、ある丁場の1級とがさほど変わらなかったり、これはどう見ても1級程度では…?という石が特級で流通していたりします。
 

 

流通の過程で等級が変わる


同じ丁場から「大島石特級」として出荷された原石であっても、採掘された地層や、採掘時期によっても品質が異なります。


また、加工の段階で「1級」としてしか売れないと判断される場合もあります。


逆に「大島石1級」として仕入れたはずの墓石を、「大島石特級」と店頭表記して販売している業者もあります。

 

 

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そこには、明確な規定はありません。


ダイヤモンドの鑑定とは違います。


売る側が「特級」と言えば「特級」なんです。


さらに、加工する職人の技術力の差によっても出来栄えが大きく異なります。


大島石の等級よりも、むしろこちらの方が大切かも分かりません。

 

 

「大島石二割」とは?


「大島石1級」の原石だが、多少石目が粗かったり、色ムラなどがある場合は、「二割」として扱われます。


いったい「二割」とはどんな石なのでしょう?


なんかよく分からない名称ですよね!
 

 

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しかし、これは読んで字のごとく、大島石1級の二割引きの値段の石を意味します。


つまり、原石を卸売りする際に、大島石1級では相場が通らないため、値段を二割引きして石材加工業者や石材商社に買ってもらうのです。


中国に大量に送られている大島石の多くがこの「二割」です。


 

さらには、「三割」と呼ばれるものもあります。


しかし、中国の石材加工工場で墓石として製品化され、石材商社を通じて日本に輸入され、石材店などの墓石販売店には、「大島石1級」として卸売りされることも少なくありません。

 

石のランクよりも石材店のランク


出来上がってきた新品の大島石墓石の石が良いか悪いかを、一般消費者が見分けるのは簡単なことではありません。


しかし、プロでの石材店ならつくる前から分かっているはずです。


今は、どこの丁場で良い原石が採れているか?


どこの加工業者が良い製品をつくれるか?

 

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そこで、出てくるのが他店との価格での競合です。


何としてでも競合に勝って自社で売りたいとなると、元となる原価を少しでも安く抑える必要に迫られます。


そうなると、品質が落ちると分かっていても、ついつい安いルートで製作できる方に発注してしまうのです。


消費者が気が付くのは、しばらく月日が経った後です。


「大島石特級でお墓を建てたのに僅か半年で茶色く変色した」など、消費者の方から大島石に関する相談を受けることが近年多くなりました。


少し前は、中国で加工された大島石に関するトラブル相談ばかりだったのが、最近では、国内加工の大島石墓石に関する相談も増えています。


「大島石特級の墓石」というモノの部分ばかりにとらわれず、石材店のランクが特級かどうかを見極めることの方が重要です。


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