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現代の国産墓石事情

墓石の一部を中国でつくる『mix国産墓石』

「やくもの加工」の別加工賃


消費者に安い値段で販売するという目的だけの為に、
近年では、市場に流通している国産墓石の多くが中国でつくられています。

いわゆる、日本の石を中国の石材加工工場に送り、
墓石などの部材に製品加工されたものを輸入するという代物です。


ところが、やはり品質にこだわる人は国内加工の国産墓石を希望されます。


しかし、国内加工となると、ごく普通の和型三段墓などなら、
別加工賃は発生しませんが、「やくもの加工」が加わるとなると別です。

やくもの加工とは、墓石竿石上部の「香箱」や、上台の「亀腹」や「スリン」、
そして、「蓮華加工」や「花瓶型花立て」などの特殊加工のことです。

これらの加工は、切削から研磨、成形加工まで、さまざまな手法や工法、
さらには熟練した職人技が必要になりますので別加工賃が必要となります。

 

 

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香川県「庵治・牟礼」で加工する角花瓶型花立て

 

これらの別加工賃は安いものでも数万円、高いものだと数十万円にもなります。


優れた技術力を持つ石職人にやくもの加工を依頼すれば、
その金額に見合うだけの素晴らしい精度の製品が仕上がってきますが、
石材店側からすれば、消費者の理解を得るのが難しい金額でもあります。

 

 

「やくもの加工」の部分だけを中国でつくる

 

やくものを日本国内で加工するとなると、かなりの別加工賃が発生します。


それを、そのままお客様へ見積り金額に加えるとかなり高額になってしまいます。


しかし、やくもの加工を中国の石材加工工場で行えば、
蓮華加工などを除いては、ほとんどの場合、別加工賃は掛かりません。
(今現在では、複雑な加工については別加工賃を取る中国の石材加工工場もあります)

 

 

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香川県「庵治・牟礼」のやくもの加工職人、松原勲氏作の上下蓮華加工



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中国の石材加工工場で加工された上蓮華加工

 

蓮華加工の場合も、香川県の「庵治・牟礼」で加工するのと比べると値段は数分の一です。
(出来栄えは、素人が見ても分かるほどの差がありますが…)

そうなると、他店との競合もあり、せっかくの商談が潰れてしまうのを石材店が怖れ、
やくものに関しては中国で加工し、国内で加工した墓石本体とを合体させた、
「国内加工」と「中国加工」の『mix国産墓石』が流通しています。

 

 

国内加工+中国加工=国産墓石?


しかし、この『mix国産墓石』の製作工程に関しては、
大半の消費者はすべてが日本でつくられていると思っているでしょう。

なぜならば、日本の石を使用していれば、中国で加工された製品であっても、
堂々と「国産墓石」として販売をしても現行法律では問題が無いからです。

このような製品でも、墓石本体が日本国内でつくられていますので 
おそらく、日本で加工されたという「産地証明書」が発行されると思います。

2014年(平成26年)8月末に三重県四日市市のコメの卸売会社が、
中国産米を混ぜたコメを国産米と偽って販売していたとされる事件がありました。



4.中国米混入事件.jpg

 

これって、やくものだけを中国で加工した『mix国産墓石』とよく似ていませんか。


食品問題だとマスコミで大きく取り上げられますが、
お墓に関して、このように取り上げられることはありません。


これらの製品は、消費者に少しでも安く提供することと、
他社との競合に勝ち抜くことだけを目的とした製品であって、
高水準の製品を提供するという目的でつくられてはいません。

やくものの部分だけを中国の石材加工工場で加工するということは、
同じ石種であっても、墓石本体に使用する石とは違ってきますし、
加工や磨きの精度も日本の一流職人が手掛けるものとは大きく異なります。

国産の石を使って、絶対後悔しないお墓を建てたいと、
お考えの方には決してお薦めできる方法ではありません。

ちなみに、私ども第一石材では、墓石本体からやくもの加工に至るまで、
日本の石を中国の石材加工工場で加工した製品は一切取り扱っておりません。
 


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